明治の名建築 奈良少年刑務所

少し前になりますが ケータイから画像を送りましたが 奈良の刑務所に入ってきました

別に法に触れることをしたわけではありません

よしんば 犯罪を犯したとしても私の入るのは奈良ではなく和歌山でしょう

奈良には少年刑務所があるのです

この建物は 近代建築好きには たまらないほど魅力的な建造物なのです

建築年は 1908年 100年以上前の建物です

正門 表門(ひょうもん)と呼ぶのだそうですが・・
ロマネスク調のロマンティックな 童話の挿絵に出てきそうな門です

奈良少年刑務所表門1

とても刑務所には見えませんよね

普段は塀の中には入ることができないのですが 1年に一日 矯正展が開かれ 中に入ることができるのです
勿論監房には入れないですよ

で 庭では いろいろな刑務所内で造られた物品の販売が行われ 見学ツアーもあるのです

で 9月12日 猛暑の中 頑張って行ってきました


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続きです

この建物が作られた頃 日本は欧米列強に追いつけと近代化を急いでいました

監獄も江戸時代の劣悪な住環境の牢屋敷では 近代国家とは認めてもらえないと ヨーロッパに視察に出かけ 立派な監獄を作ったのです
それを 明治の五大監獄(千葉 鹿児島 長崎 金沢 奈良)と呼ばれています
ちなみに設計をしたのは ジャズピアニストの山下洋輔さんのおじいさんの山下啓次郎 当時司法省の設計技師だったのです
立派な立派な監獄を作ったのです

ピアノ炎上など話題の多いピアニスト山下洋輔さんが おじいさんが建築家で刑務所を立てた人だとを知ったのは 20年ほど前 それまで知らなかったのですね
そして各地の刑務所を見に行くのですが そのあたりのことは 著書「ドバラダ門」にかいておられます
私は以前に雑誌にかいておられたものを読んだことがあるのです

表門は とってもロマンティックな表情がありますが やはり刑務所 高くて長い塀が続いています
レンガ造りです

奈良少年刑務所 

「奈良少年刑務所」と表札が上がっています
レンガは 長手だけの段と小口だけの段を交互に積んだイギリス積みです

表札

江戸時代は 奈良奉行所牢屋敷 そして明治になって 奈良監獄署がここから少し離れた場所に作られました

明治41年(1909年)現在の場所に新しくこの建物が建てられ移転しました
大正11年(1922年)奈良刑務所と改称
昭和二十一年(1946年) 奈良少年刑務所と改称

表門には左右に丸い塔があります

丸い塔

では 私も 表門から ドバラダと入っていきましょう
鉄の門扉 なかなかしゃれた意匠です 
普段はぴったりと閉じているのです 当たり前ですね 

門扉

門から中を見ると正面に古い立派な建物がみえました 庁舎です

表門から 

矯正展の開かれているこの日は 中に入るのはフリーパスです 予約の必要もありません
左右に刑務所作業製品の展示即売のテントが並んでいます

矯正展出店 本館
 
靴 木工品 エプロンなど縫製品 刑務所の中でいろいろな作業をしているのですね
それが懲役なのですね

矯正展

庁舎です 立派な建物ですね 赤いレンガと白い石を組み合わせた辰野金吾建築と似ています
設計者の山下啓次郎は辰野金吾の弟子だったそうです

庁舎本館

三角屋根の塔です

庁舎塔

側面です

庁舎側面

正面全体です 植え込みやらテントで 全部がはいりませんでした
とても刑務所には見えませんね
明治時代に 奈良監獄として建築されたのですが まるでヨーロッパのシャトウのようですね
この庁舎の後ろ側に収容棟が建っているのです

庁舎全景

多角形の建物が見えていました
多分ここが中央の監視しているところかな?

監視棟?

食べ物のお店も出ていました

私はお好み焼を食べました
後ろの袋は 矯正展で買いました 和歌山刑務所で作られたものということです
とってもきっちりと作ってあって使いやすくて重宝しています 500円でした

買物袋と焼き蕎麦

この日は内部の見学ツアーもあるのです
それがお目当てなのです
12時30分から受付です 一回に30人ずつ 3回実施されます
1時からの最初の分で見たかったので早くから並びました で めでたく見学することができました
見学参加証です

見学参加証

では見学ツアーに出発です
この高い塀に沿って行き 赤いコーンの向こうからが一般立ち入り禁止の見学ゾーンです

レンガ塀

見学中は撮影は厳禁ですので 画像はありません

見学と言っても監房を見学するのではなく 作業室をいくつか見学しました
奈良少年刑務所は 未成年を収容するというのではなく 若年層 26歳までの人が収容されています
未成年は少ないそうです 
初犯で 教育によって更正する見込みのある人が主だと聞きました

受刑者を収容する棟は 手のひらを広げたような形に5棟立てられています
指にあたる部分が収容棟なのです 手のhらが管理塔
中央に監視する部屋があり係官がいて どの棟にもすぐに駆けつけることができるという利点があります
難点は 棟と棟の間に三角形の空き地ができること 土地代の高い現在ではこの形式はもうとりいれられていないのです
それに監視カメラを張り巡らせているので肉眼で見張る必要もないのですね

作業所は 木工 金属 職業訓練 その他となっています
職業訓練では 理容 建築 ホームヘルパー クリーニング ビル清掃 板金 溶接など多岐に渡っています
そういう作業所は 昭和の建物で元軍部の施設だったものもありました
木工では 奈良の伝統工芸である一刀彫も教えていました
一刀彫や理容は刃物を使います
ですから誰でもというわけには行かないのだそうです
刃物での刃傷沙汰を起こして服役中の人は この課程は受けれないそうです

中庭に小さな和風の家がありました
それはここで技術を習得した受刑者が建てたものだそうで現在は展示室として使われていました

庭には小さな池や花壇 植え込みがありました
少しでも家庭的な優しい雰囲気になるようにと作ったのだそうです

殆どの作業所に冷房設備はありませんでした
冷房があるのは精密機械やパソコンの設置してある作業所だけでした
冷房がないと機械が壊れるから設置してあるのです 人間より 機械が大事 !

今年の猛暑には大変気を使ったと案内をしてくださった方は話しておられました
ミストのでる大型扇風機を設置したりしたそうです

作業をしている受刑者が暑いのは勿論ですが 教官とか監督官も一日その場にいるわけですから 暑いですよね
見学をした日も奈良は36度の猛暑でした
できるだけ日陰を選んで歩いてくださいといわれました

見学は約30分ほどで終わりました 
刑務所と言う今まで入ったことのない世界をちょっと覗いてきたのですが 作業所は 町工場とそんなに変わったところもありませんでした 

庭に江戸末期の牢屋が移築されて保存してありました これは別に文化財ではないらしく 中に入ってもいいですよ 外から鍵は閉めませんからと言われました

時代劇にでてくる牢と同じで 小さな部屋でしたが 一人部屋ではなかったようです
隅に便所がありました

見学コースではなく 講堂のようなところに展示してあった 奈良東大寺南大門の模型です
これも木工を学んでいる受刑者の作ったものだそうです
とっても精巧で おおきなものでした 47万円と値段が書いてありました

模型 東大寺南門

奈良1300年祭を記念してつくられた新キャラクター ’まんとくん’が来ていました
せんとくんほどの人気はないようですが 子供達と記念撮影をしていました

まんとくん

講堂では 全国の刑務所を写しつづけておられる外山ひとみさんの写真展 「PRISON 100年の時を刻む奈良少年刑務所」を展示していました
刑務所内部の写真が美しく写されていました
地下には現在使われていない廃墟のようなところもあるようです
当時の独房は 狭くてすごく怖い写真でした
それでも最先端の施設だったのですね

暑い日でしたがめったに入れない(1年に一回だけ)刑務所内部を見ることができて よかったです

勿論この建物がレンガ造りの近代名建築だから行ったのであって 鉄筋コンクリートの無機質な建物の刑務所なら絶対に行こうなんて思わないです

明治の五大監獄で現在現役で使われているのは 奈良と千葉だけで 長崎監獄は解体され 金沢は 明治村に 中央看守所と監房の一部が1971年(昭和46年)に、 正門が1976年(昭和51年)に移築復元されました。
鹿児島監獄は 石造りの正門だけが保存されています

案内をしてくださった担当者は施設が古いので だましだまし使っているという風な表現をしておられました
確かに100年前の建物を現在利用するのは大変なことだと思います
刑務所と言う性格上エアコンや大容量の電気を必要としていないので 使っていけるのかもしれません

私の通ってた高校は昭和はじめの化粧タイルを張られた重厚な建物でしたが 耐震性から取り壊され コンクリート打ちっぱなしの建物になりました


最後にちょっと怖い画像です

レンガの高い塀にくぼみがありました

これは見張りの看守のいた場所でしょう
ここに一日たっているのもきつい仕事ですね

くぼみ

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奈良少年刑務所


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カメラ機種名 Canon PowerShot G10
撮影日時 2010/09/12



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Theme: 建物の写真 | Genre: 写真

コメント

TOSSYさんのブログはほんとうに勉強になります!
全部覚えられないけど1つでも頭に残しておこうと思ってます
この日はまだ暑かったですね
もう少し涼しくなってから催してくれると参加したいのですが・・
じっくりとこの建物を見学してみたいな♪

2010/09/28 (Tue) 09:29 | ダイナ #- | URL | 編集

なつかしいレンガ造り、
年1回だけだと、来月奈良に行っても
見られませんですね。

2010/09/28 (Tue) 11:01 | bunchan #LT.oE4X. | URL | 編集
これが刑務所とはね

驚きですね 
 入口の建物だけかと思ったのですが
 中の建物もそうなのですね。。。 
 年に1回しか見られないなんてそれはもったいないですね。。 
 観光ついでに見たい って言っても
 その日でなければ見られないってことですものね。。 

 12番目 
  ”明治時代に 奈良監獄として建築・・” の後の写真
 さすが 撮り慣れていますね!
 でも とても刑務所なんて思いませんね。。

2010/09/29 (Wed) 00:18 | kei #CvGXsNjo | URL | 編集
お返事です

確かお返事を書いたのに ちゃんと送信できていなかったらしくコメントかけていません
もう一度こんどは確実に届きますようにお返事書きます

ダイナさんへ

ありがとうございます
ちょっと説明が長くてくどいといわれることもあるので そういっていただけるととってもうれしいです
9月に猛暑なんて とニュースにもなった暑い日でした
うどんの店を出していた人は 全く売れなくておまけにお茶をつけますといっても売れなくて・・ 冷たいぶっかけうどんに変えていましたわ

bunchanさんへ

来月ならにお見えなのですか
コスモスで有名な般若寺野すぐ近くですので 門だけなら見ることができますので いかれたらどうですか


keiちゃんへ

まぁ 現役の刑務所ですから やはり見学会と言うのは難しいでしょうね
刑務所だけでなく拘置所もあるのです相当の人数が入っているようですよ

見学コースに入るのも案内係とは別に前後に警護をする係員がついていました

<12番目・・・

ありがとうございます
テントや人が入らない角度を探して暑い中うろうろと歩いたのですよ
この建物は庁舎で囚人(古い言葉だ)のいるところでは有りません

テントの下でお茶やらお菓子を食べてしゃべっていると ここが刑務所だなんて全然思えませんでした
来ている人もみんなリラックスしていました
でも 少し離れた建物の部屋の中には 受刑者がいたのですよね
ざわむきや音が聞こえたかしら

2010/09/29 (Wed) 00:56 | TOSSY #mXJ0wlpU | URL | 編集

こんにちは~

刑務所へとやってきました。
少年刑務所ですか、私も入れてもらえないですね。

正面全体像、凄い景観ですね!
こういう建築物を見ながら何かを感じ、是非とも更正して欲しいものです。

家のほど近くにも刑務所がありますが
コンクリ&無機質でございます。

2010/10/01 (Fri) 19:34 | とっぷん #zRY05/.E | URL | 編集
とっぷんさんへ

すごい建物でしょう
ヨーロッパに視察に行って負けないものをと作ったのですよ
鹿児島監獄は正門だけ残してあるのですが 石造りで見事なものですわ(写真で見ただけ)
数百人が収容されているそうですが 厚生してほしいですね

2010/10/01 (Fri) 20:20 | TOSSY #mXJ0wlpU | URL | 編集
NoTitle

南大門懐かしー(^o^)
昔(8年前)7実習で作ったもので懐かしくて思わずレス 
当時、一刀彫の訓練を受けていたのを思い出す…

2011/09/01 (Thu) 23:01 | 無名 #- | URL | 編集
無名さんへ

無名さん

コメントありがとうございました
南大門 立派な作品ですね
一刀彫勉強されたのですか
今も一刀彫をされているのですか?

2011/09/02 (Fri) 08:09 | TOSSY #mXJ0wlpU | URL | 編集
TOOSYさんへ

お返事ありがとうございます。
南大門は普段の作業の合間に作ったりで完成するまでに1年以上かかりました。
なにせ素人の集まりなもんで何度も作り直したり(-_-;)
今思えば懐かしい貴重な思い出ですけどね
一刀彫の訓練は勉強というより自力で彫って覚えてなんぼって感じでした。
そういえば一週間に一度は外部講師(通称ちかちゃん)がきて
いろいろ教えてくれました。

今は仕事ばかりで一刀彫のことは忘れてましたけど、このブログを見て久し振りにやりたくなりましたw

ちなみに監獄は同じ工場のなかに2級建築技能士という訓練がありその訓練生が主になってつくっていました。
あれってすぐにばらせるようにつくってあるんですよ
私自身も組み立てたりばらしたりしていました。

表から見える部分は割ときれいですけ古い建物だけあって
懲役が居る舎房(寝起きする部屋)はかなりボロボロで冬場なんかは隙間風がひどくて指先がしもやけでぱんぱんになったりして辛いものがありました。
なにせ服も決まった枚数しか着てはいけないので寒さに震える毎日でした。

このブログを拝見するまで建物の詳しい事なんてなにも知りませんでしたけどドイツ式官房を真似てつくったとかなんとか
少年刑務所という名前だけあって収容者は若いのが多いのですが30代の人もいました。
私は26歳で新しくできた刑務所(播磨社会復帰促進センター)というところに移送されたのですが奈良との新旧のギャップはすごかったです。
改めて考えると100年を超えるだけあって奈良は本当に古いですね。

さて、懐かしさに負けてついつい書き込みをしてしまいましたが私のような者がコメントを残すことを不快に思う方も大勢おられると思うのでこの辺で...


2011/09/05 (Mon) 00:26 | TOMO #- | URL | 編集
TOMOさんへ

長文のコメント ありがとうございます
全然不快になんて思っていません
私のほうが 貴重な建物だからと写真を写しに行って観光気分で書いたら 中にいた人が目にしたら気分を害するのではないかと思って 文章には少し気を使いました

100年前の建物で生活するのは やはりきついでしょうね
庭にあった監獄 茶色い古い木材で江戸時代のだと思っていましたが バラバラにできるのですか 移築するのにばらしたからでしょうかね

加古川の矯正センターに移られたのですか 100年の時を移動したのですね 体がびっくりしたでしょうね

一刀彫 また はじめてくださいね

今年もまた 矯正展が開かれると思いますが 何日かがわかりません 昨年めっちゃ暑くて熱射病になりそうだったので今年は行きません 

2011/09/05 (Mon) 01:43 | TOSSY #mXJ0wlpU | URL | 編集

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